四ヶ村の棚田
四ヶ村
出羽富士「鳥海山-ちょうかいざん-」と霊峰「月山-がっさん-」を望み、作神宿る「葉山-はやま-」の麓「四ヶ村-しかむら-」には、後世に残したい「日本の原風景」とも言えるたたずまいがあります。四季折々に見せるその風景に、心和みます。
「四ヶ村-しかむら-」とは「豊牧-とよまき-」「滝の沢-たきのさわ-」「沼の台-ぬまのだい-」「平林-ひらばやし-」の四集落を総称する呼び名です。その歴史は古く、鎌倉時代初期(1204年)の起源とされています(四ヶ村郷土史)。
山形県最上地方-もがみちほう-に位置する大蔵村にあって、四ヶ村地区は村中心部から南へ約10キロ(全国に名を馳せる「肘折温泉-ひじおりおんせん-」は四ヶ村地区からさらに南へ7キロほど)。ここ四ヶ村地区は全国でも有数の豪雪地帯となっており、例年2mを超える積雪は、時には4mにまで達することもあります。世帯数約100戸、人口約500人の山間の小さな集落に、棚田は120ヘクタールに及びます。
棚田
棚田を形容する言葉に「耕して天に至る」とあります。どう言ったイメージをお持ちになりましたか?
その段々田がまるで、天にまで続くような壮大で荘厳な風景が目に浮かぶことでしょう。
しかしながら、深い山に暮らし、まさに生きるために大地を耕した祖先の、汗と涙がしみこんでいることも忘れてはなりません。元来、「耕して天に至る」とは貧困と勤勉の形容詞であったと言われます。
四ヶ村棚田保存委員会
草刈り作業風景棚田の農地は本当に急峻です。耕すには多大な労力を必要とします。
村に暮らす人々も高齢化の波にさらされ、やむを得ず耕作を止めてしまうケースが多くなりました。耕作放棄地です。棚田の持つ公益的機能の停止が危ぶまれました。
そこで、日本の棚田百選の認定をきっかけに、平成14年に「四ヶ村棚田保存委員会」が立ち上げられています。この委員会は有志らの研修から棚田を保存することの重要性や観光農業への取り組みを学んだ結果となりました。現在は、四ヶ村開発協議会や地区の代表、そして地元有志の約20人がメンバーとなり、地域活性の中心を担っています。
日本の棚田百選
目的
我が国の中山間地域に広く分布する棚田は、その立地条件を生かした特色ある農業生産の場として国民生活に寄与しているのみならず、急峻な地形を巧みに利用した農業生産活動を通じて、国土・環境の保全、農村の美しい原風景の形成、伝統・文化の継承等多面的な機能を発揮しております。このように棚田は国民の健康的でゆとりある生活を確保する上からも大きな役割を果たしていることから、農林水産省は、多面的機能を有している棚田について、その保全や、保全のための整備活動を推進し、農業農村に対する理解を深めるため、優れた棚田を認定することとしました。
選定の考え方
「日本の棚田百選」の選定にあたっては、
- 営農の取組が健全であること
- 棚田の維持管理が適切に行われていること
- オーナー制度や特別栽培米の導入など地域活性化に熱心に取り組んでいること
を基準とし、各県から推薦を受けた棚田の中から学識経験者により構成される「日本の棚田百選」選定委員会により選定されました。これを受けて農林水産省は平成11年7月26日に「日本の棚田百選」134地区(117市町村)の認定を行いました。
つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~
目的
農林水産省が選定する「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に四ヶ村の棚田が選ばれました。この選定は棚田地域の活性化や棚田の有する多面的機能に対する理解や協力を得ることを目的としています。
選定の考え方
「つなぐ棚田遺産」の選定にあたっては、
- 積極的な維持・保全の取組がなされ、今後もその取組が継続される見込みがあること
- 原則として、勾配が1/20以上の一団の棚田が1ha以上あること
- 棚田を含む地域の振興に係る取組に多様な主体・多世代が参加していること
などにより「つなぐ棚田遺産」選定委員会より選定されました。これを受けて農林水産省は令和4年2月15日に「つなぐ棚田遺産」271地区認定を行いました。
本村の取り組み
選定されたのは四ヶ村の棚田全域の120haで、ほたる火コンサートや棚田のブランディング、棚田米オーナーの農業体験、畦畔管理軽減のためのラジコン草刈り機の導入など生業としての棚田の取り組みが評価されました。
棚田の多様な役割
食料の生産
洪水防止・土砂流亡防止など
国土・自然環境の保全
水の貯蓄/水質浄化
保健・休養の場の提供
農作業体験を通じた健康・安らぎなど
景観や文化資源の提供
独特の景観美/伝統的稲作技術・民族文化など
この記事に関するお問い合わせ先
産業振興課 商工観光係
電話番号:0233-75-2105 内線231・232
ファックス:0233-75-2231
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更新日:2022年06月16日